おはようございます!
毎日仕事が終わって帰って、夜11時から最低1時間アイロンビーズをつまんでいる丸窓店主です!
実際やってみると分かりますが、これ、本当に時間かかります。
現時点でスカルミリョーネが半分ちょいできてますが、ここまでに下手すりゃ8時間弱かかってます。
『もっとやる事あるだろう』と言われればそれまでですが、ハマった以上いける所まで突き進む性格ですので、トコトンやり遂げてみたいと思います。
スカルミリョーネとは?
言わずとしれたスーパーファミコンソフト・スクウェアの名作『ファイナルファンタジー4』に登場してくる四天王の1人です。
このソフトの素晴らしい所を言えば不眠不休で3時間ぐらい話続ける事ができるんですが、とりあえず僕がもっとも愛したゲームソフトという点だけ押さえておきましょう。
そして問題のスカルミリョーネさんの姿がこちら。

はい。
自分でもなぜこんな気持ち悪い物を、記念すべき大型アイロンビーズ第1作目に選んだのか不思議でなりませんが、やはりそこは四天王・登場順に作っていきたいという謎ポリシーがございまして、最弱である不気味なおじさんを作成していきたいと思います。
下準備
まずは参考画像を用意します。これが無いととても作れませんから。

これが四天王です。
とりあえず画像を用意して印刷します。

はい。てがかりになるのは薄い月明かりと、この紙切れのみ。
考えるだけで大変そうでしょう。
僕も思います。

少し大きくなりそうなので、プレートを4枚合体させてから作成開始。
まずは基本となる外側の黒点から作成していきます。
のっけから本当に気の遠くなるような作業ですが、これが終わっても、亀・お色気ちゃん・変態マントの3体が待機してますからね。おそらくほとんどの人はこの段階で脱落します。
2018年6月27日・作成開始
ついに始動しましたスカルミリョーネ作成プロジェクト。
と、ここでいきなり大型アイロンビーズの洗礼を受ける事となります。

パッと見、何が言いたいのか分からないと思いますが、下と左の枠がギリギリ過ぎて、作品がプレート内に入りきりません。
ちゃんと計算して作り始めたにも関わらず、こういうズレが平気ででます。
なんだかんだこれだけで作るのに30分かかってますが、最初からやり直しです。今度は上下左右、少し余裕を持たせてスタートします。

よしよし。30分かけて約束の場所へ戻って来ました。
今度は下と左に余裕があるのが分かりますね。

先に黒ビーズを全て入れてから色を入れて行こうと思ったのですが、それがなかなか難しいという事に気が付きました。
やってみて分かったのですが、何と言っても『参考画像が見にくすぎる』というのが最大の難関。
1ドット部分は見えるのですが『連なる黒点が2ドットなのか3ドットなのか4ドットなのか非常に微妙』なのです。
1ドットでも狂えば、全てのバランスが狂います。
パソコンで描くドット絵ならばコピペで簡単修正できますが、1粒1粒を手作業で埋めていくアイロンビーズにとって、1ドットのズレが致命的すぎるのです。
『じゃあもう少し参考画像を拡大印刷すればいいじゃん』
そう思いますよね。僕もバカじゃありませんから、それは最初に考えついていたのですが『画像を拡大させるとアンチエイリアス効果によりドットの境目が滲んで逆に見にくくなるだろう』と考え、あえてやらなかったので結局バカです。
画像をシャープ化、ソフトによる減色、色々とやってみたのですが、どうも上手くいかなかったのでシンプルに原寸大印刷で攻めた結果がこれです。
とりあえず別の参考画像を用意する事を心に決め、初日の作業は終了。
ところがどすこい。
ここで重大な問題が発生。
このまま机の上に置いておけば邪魔になるし、子供たちにぶっ壊されるのが目に見えている為、どこかに収納しなければならない。
しかし4枚のプレートは接着剤でくっ付けていないため、持とうとすればフニュフニャと波を打って結局くずれてしまう。
何か下に固い物をしいて、移動させなければいけない。
一度は捨てた『ビーズ24色入り』の箱を拾いあげ、それを広げ、その上に乗せて移動させる事にしました。

ぐわあああああ!
なんてデリケートなんだプレート結合部分!
アボカドよりデリケート!
少し移動しただけで、こんなにたやすく離れるのか!
T-BOLANも真っ青になる様な剥離が起こり、こんな事なら最初に接合部分をしっかり固定しておけばよかったが、もはや後すぎる祭り。季節外れの花火大会レベル。ここまでに使った労力をもう一度捨てる事など僕にはできません。
行く。
スカルミリョーネは、このまま、行く。
6月28日・参考画像を追加する
著作権の問題が発生しそうなので、ここに元画像をアップする事はできませんが、以下のリンク先で紹介されている画像を使わせて頂きました。
リンク先は『僕も四天王を作りたい!』と思うきっかけとなったサイトであり、実際にアイロンビーズで作成された四天王の完成写真もあります。
先輩の努力を横から奪ってしまおうという算段です。画像で見るよりも、実際のビーズを見れば分かりやすいだろうという他力本願な甘い考え。
更に細部の確認の為、スマホでも原画を取得しました。


新たなスカルミリョーネを2匹仲間に加え、作業再開。
現在のパーティー構成は僕・スカルミリョーネ・スカルミリョーネ・スカルミリョーネです。
以前の参考画像よりサイズも大きいし、よーーーく見ればビーズの穴で羅列個数も数える事ができる。強い味方だ。ありがとう先輩。

立とうとした時、机に足がガンとあたり、桜の様に乱れ散る黒点たち。
画像をみても分かる通り、バラけたのは孤立している黒点ばかり。
これも今回の足ガンで再確認できたのですが、ビーズを敷き詰めていた方が確実に安定しますね。
やはり色を入れながら進めるのが正解です。

コツコツコツコツ、小さなビーズを敷き詰めて行きます。
そして今回、もう1つ判明した事実。
『先輩の参考画像と、原画の並びが全然違う』
パッと見何が違うのか全く分からないと思いますが、実際に並べていると『先輩はこのポイントを黒にしているが、原画ではこげ茶色だな』っていう場面が多々でてくるのです。
それもそのはず。
そもそも原画は256色という強い力を持っているのに対し、アイロンビーズ(ナノビーズ)で作る場合は最大47色。しかもそのうち、茶色系統の色となると約5色に限られてくる。
どういう事かと言うと『原画通りに作る事は絶対不可能。自分の感覚で原画の色を減色させ、類似色を見つけ出していくしかない』って話。
よって先輩の感性で作るスカルミリョーネと、僕の感性で作るスカルミリョーネは全然別物になるって事なんです。
どうです。こんなどうでもいい事が、めっちゃ深い話をしているように聞こえるでしょう。
星飛雄馬のお父さんならここでちゃぶ台をひっくり返している事だと思いますが、僕は逆です。面白くなってきたじゃないか。
絶対に先輩のスカルミリョーネを越えて見せる!!
と意気込みを新たにした瞬間に疲れがドットでてきたので終了。

プレートの移動も慣れてきました。

人里はなれた本棚へ収納し、この日の作業は終了。
6月30日・致命的ミス

先輩の作品:原画=3:7ぐらいの比率で参考にしながら、じみじみとつまんで行きますよ。だいぶ形になってきましたね。
しかしこの時点で非常にやっかいな問題が発生。
ビーズ1個2個どころではなく、上下左右、全体的にかなりズレているのです。
パッと問題なさそうに見えますが、やばいぐらいズレてます。
このままズレを無視してつまみ続ければ、確実に宇宙の法則が乱れます。
参考画像が完成されたドット絵ではないので、本当に1つ1つ勘だけを頼りに埋めているのですが、やはり同じような色と黒点の繰り返しで、今どの部分を埋めているのか急に分からなくなる現象が多発。
埋めている瞬間は合っていると思い気付かないのですが、あらかた作業が進み、基準点と基準点を結んだ時に、ビーズの位置が合わないのです。言葉での表現が難しいのでコチラをご覧ください。

小型作品でも大型作品でも、参考画像がドット化されていない場合は、こんな感じで基準点と線を『自分の頭の中で作る』作業が必要不可欠。
まあ紙に直接、線を引くのも有りでしょう。
基準点は自分が分かりやすい位置を取ります。今回はスカルミリョーネの右足、かかと部分に基準を置いてみましたが、1箇所だけではなく、こういう点をいくつか相対的に組み合わせて全体のバランスを取っていきます。
それではこの基準ラインを現時点のビーズに当てはめてみます。

両方の赤いラインとビーズの位置関係を比べてみると、しっかりズレが確認できます。
原画ではかかと部分の黒点に縦ラインがかぶってますが、ビーズの方はかぶってません。
要するに横のマスが1つズレているという事です。
横のマスが1つズレてるという事は、全てがズレているという事です。
どうです。泣きたくなるでしょう。
横ラインもしかり。
原画のかかと部分の黒点に沿って横へ視線を移動します。
右腕の横に開いた空白部分に注目してください。
原画では横ラインの2ドット上から空白部分が始まります。
しかしビーズの方はライン上から始まってます。
要するに縦のマスは2つズレており、結局全てがズレているのです。
どうです。吐き気がしてきたでしょう。
この様な感じで常に『つまみ・減色・ズレ』がメーガス三姉妹の様に襲ってくる。アイロンビーズ界のデルタアタックと呼ばれています。
結局この日は1時間ほどかけて、このズレの修復を行いました。
さて。
ここで皆さんが気になっている事に少しだけ突っ込んでみたいと思います。
『暗黒騎士からパラディンへクラスチェンジした僕がスカルミリョーネとの戦いに全神経を集中している間、嫁さんは何をやっているのか?』
どうせスマホでもいじりたおしているんじゃないのかと。
生ハムでも食いながら酎ハイ飲んでるんじゃないのかと。
そういう誤解を招くと嫁さんとしても非常に不本意だと思いますので、名誉の為にここで明らかにしておきましょう。

そう。なんと嫁さんもつまんでいるのです。

こういうミスをしながらも、めげる事無くコツコツつまんでいるのです。

マリオの足をもぎながらも、日々つまみ続けているのです。

そんな嫁さんの努力のかいあって、少しずつではありますが作品数が増えております。
大物は僕の担当。
小物は嫁さん担当。
どちらが大事などという境界線はなく、どちらも大事なのです。
この絶妙なコンビネーションで頑張っていきたいと思います。
7月5日・ズレの修復完了

前回の作業だけではズレが完全に修復できなかったので、今回も修復作業から始めます。

あらかたズレの修復も終わり、やっと色入れ作業に入れたと思いきや、またもや机に足ドンで外側の黒点が舞い散りました。
中の方はビーズが詰まっているのでなんの影響もなし。
これぐらいの修復なら1分で終わります。

作業開始から2時間経過。
『やっと顔に到達した!』という喜びから、いつも以上にツマミング作業に没頭しております。

この殺伐とした作業場。
とてもプライベート空間とは思えない。
嫁さんと2人、ひたすら無言でつまみ続けます。

この日の作業は2時間40分で終了。
嫁さんはマリオ系を4つ完成させました。


毎回毎回、この瞬間が一番緊張します。
ワンミスで全ての苦労が水の泡になりますからね。
7月28日・またもやズレ発生

ズレの様子をスマホで撮影しようとした所、手が滑って落下。
小規模地震により、またもやビーズが舞い散りました。嫌な記憶が舞い戻りました。ケツメイシの言ってた事がやっと理解できました。

基準線は横の足の線(横に2マスならぶ黒点)をもとにしてます。
『コレ』というビーズに注目して原画をご覧ください。

同じ基準線を引いた場合、原画はこのポイントが足の縦黒点・最上部である事に対し、ビーズは最上部から2マス目。
『縦マスが1個ズレている』という証。
これは修正してみないと分かりませんが、たった1マスのズレなのに、下手すりゃかなりの範囲にズレが広がっている可能性が高いです。

今回の発覚で、実際にズレていた範囲は上図の赤い部分。
もちろん全部やりなおしです。
まあビーズをちょいちょい移動して行くだけなので、思った以上に修正作業は楽でした。
そしてついに。

プレート4枚分が完成!!
幾度となく修正を繰り返してきたので1マスのズレも無い!
と信じたい!

残りこんだけ。
ここまでの苦労を思えば楽勝ムードが漂います。
今うちにあるプレートは、嫁さんが使用している分含め、全部かき集めても5枚が限度。
本当はあと2枚あったのですが、不慮の事故で捨てられてしまいました。
この感じだと3×3=9プレートあれば充分そうですね。
よってスカルミリョーネ完成には残り4プレート必要。
ちょっくら明日、買ってきます。

今までプレート移動で活躍していただいた『24色入りの段ボール』にお別れを告げる日がきました。100円均一で購入した『PPシート』という謎プラスチックの就任が決定したためです。


これなら、プレートを机に置いたまますべりこませる事ができるので、移動時の崩壊危険度がかなり減少します。しかし、やはり段ボールに比べてペラペラしているので、持ち上げた後からは細心の注意が必要です。

おやスカルミリョーネ。
7月11日・完成

上部に2枚のプレートを足して作業開始。



つ・・・ついに完成しました!!!
ここまでおそらく12時間くらいかかってます!
まあ初めての大型作品。さらにスカルリョーネが大変複雑な構造だという事で時間かかりました。いやあ長い旅でした。
後は全体の雰囲気を原画と見比べながら微調整をし、最後にビーズ抜けが無いか確認してから、仕上げのアイロン工程へと移ります。
7月12日・アイロンがけ

微調整に1時間半ほどかけ、ついにアイロンがけの時間となりました。

付属のクッキングシート的な物を被せます。
この折り目がなんか気になりますが、まあいいや。

温度は【中】でアイロンパワー充填中。
赤いランプが点滅しています。
この点滅が点灯に変われば、いよいよです。
正直、めちゃめちゃ緊張しています。
先日、沖縄旅行に行ったときに大嫌いな飛行機に乗った時の様な緊張。
失敗する気しかしない。
そしてついに赤ランプが点灯。
賽は投げられた。
行くぞ!!!!

僕の夏は終わりました。
夏を振り返って
失敗した原因は自分でも分かってます。
アイロンを舐めすぎてました。
それでは少し時間を戻し、なぜ失敗したのかを検証して行きたいと思います。

作戦としては『全体的にグルグルと均等に熱を与えていく』って感じ。正直こんなでっかいのやった事ないので、コツや技術など全てゼロのまま大気圏に突っ込むワケです。
作業開始1~2分ほど経過した頃、アイロンの向こう側から『ビーズの浮き』が感じられました。何かゴロゴロする感じ。
この時点ではまだ『少し修復すれば行ける』などと勘違いしていた僕。
しかし『ビーズの浮き』っていう現象は、そんな軽い症状では無かったのです。

横からの映像。
プレートに残っているビーズ。
そして『クッキングシートにくっ付いて浮き上がったビーズ』が確認できます。
1個2個のビーズならまだいいですが、これだけ無数にビーズがくっ付くと『アイロンで下に加圧した時に、元のプレートの位置にキレイに戻らない』という非常にやっかいな問題が生じます。
1度浮き上がったビーズは生命体。
シートから離れてプレート上へ無秩序に落ちて行くクリフハンガービーズ。
2~3個くっついて小集団を作ってるグループビーズ。
横に倒れてしまっている二日酔いビーズ。
おうちに帰れない子猫ちゃんビーズ。
プレート外に飛んでいくやさぐれものビーズ。
弾む若い力を信じて大空に飛び立ったビーズたちはもう滅茶苦茶です。
成人式で新成人が暴れ出して収集が付かなくなる状態と酷似。
こんな状態になってしまっても、どうにか完成させようとして、夢に取りつかれて、更に無理矢理アイロン加熱を続行するバカが居たんですよ。
そう簡単に捨てられなかったんですよ。
12時間という名の翼を。
結果は散々。


あらぬ方向を向いたまま接着してしまったビーズコロニーが大量発生。

ここで初めて『一旦バラしての修復』を試みたのですが、時すでにお寿司。
名残惜しさからくる情けない純情な感情で20分ほどアレコレやってみましたが、正直『こんな感じで修復していくのなら、もっかい最初から作ったが早いだろ!』レベルの面倒くささ。
手を付けなくてはいけない部分が多発しすぎて泣きそうになる。
もう捨てるか?
ええい!
捨てるの勿体ないから実験台にしちゃえ!!
いつかまた来る再戦の為、アイロン技術を磨く事に。
屍キャラの屍を越えて行きます。
試しにアイロンを【小チャージ】でやってみましたが、この温度では全くくっつかない事が判明。
やはり攻めるなら【中チャージ】でじわじわと固めていくのがベストなのか。
アイロンがけの圧力を強くしたり、移動速度を変えたり、どれぐらい加熱すればビーズが溶けるか、どのようなケミストリーを起こすか検証しました。

【結論】中チャージでまんべんなくアイロンがけする
そうなのです。戦法だけ見れば、今回の判断は正解。
やはり僕は間違っていなかった。
八神月がキラだったのです。
そして最終的に僕が出した『失敗した原因』『次回おこなう対策』がこちら。
・見切り発車で作成開始し、常々プレートがフワフワしていた。『スカルミリョーネは、このまま、行く』などとドヤ顔で宣言したのが敗着。ビーズを埋める分はどうにか我慢できたが、やはり土台をガッチリしておかなければ最終仕上げでミスがでる。次回は全てのプレートをアロンアルファで固定。できれば下にべニア板でも張り付けて、象に踏まれても歪まない最強土台プレートを作る。
・折り目の付いたキッチンペーパーを使った為、ビーズの表面とペーパーの間に微妙な空間・浮き沈みが発生。アイロンが押している時は問題ないが、移動した場合に圧が無くなりペーパーが折り目の影響で浮き上がる。そこに接着途中のビーズがくっ付き、僕の人生トップ10に入るレベルの大惨事を招いた。次回はトライアルで折り目のない高級キッチンペーパーを購入し、ビーズ表面とペーパー間の空間を限りなくゼロにする。
完璧です。
これで無理だったら、僕はこの業界を引退します。
ありがとうスカルミリョーネ。
君のおかげでまた強くなれたよ。
小学生の頃はただただ嫌なヤツだと思ってたけど。
本当に嫌なヤツだったんだな。
まさか君を2体も作るハメになるなんて。
また会う日まで、さようなら。

2018年7月12日・23時8分
スカルミリョーネさん
ご臨終です
復讐の時、来たる
2019年6月13日。
その時はやってきたのです。
【復讐】アイロンビーズでFF4・スカルミリョーネ作りました(1年ぶり2体目の挑戦)
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